クソバイスの話
最近、悩みごとが多くて、ついボヤいてしまうのですが、
そういうことを人前で言ってしまうと「クソバイス」をいただくこともしばしば。
クソバイスってどう意味なのかというと…
クソのようなアドバイスのこと。イラストエッセイストの犬山紙子によって作られた語。
クソバイスは、「早く結婚したほうがいいよ」のように、良かれと思って発言した言葉や持論が、相手にはどうでもいいこと、あるいは、余計なお世話、事情も知らずにと捉われてしまうようなアドバイスを指す。
だそうです。
まぁ、お節介な人が多いということなんですよね。アドバイスをして自分が気持ちよくなりたいのかな?って思ってしまいます。
私もTwitterでクソリプしてしまうので、ブーメランでもあるのですが…。
勤めていた時は、会社の上司や先輩にもよくクソバイスいただいてましたが、
「ほんとそうですね~!○○さんて本当に人の事をよく見ていますよね。本とか出せば売れるんじゃないですか~?」
などと、クソバイスを肯定して無邪気に相手の話にもっていくと、だいたいの相手はすごすごと去っていきました。
私のこと、めんどくさいと思ったんでしょうね…。
クソバイスを早く終わらせたい場合には有効な手段だと思います。
クソバイスの対処方法を調べていたら、「クソバイス返し」というキーワードも出てきました。
~『言ってはいけないクソバイス』より~
犬山さんお気に入りのクソバイス&クソバイス返し
「女の子はいつも笑顔でいなくちゃ。すぐに怒っちゃダメ」
→「◯○さん! その格言良いですね! Twitterに投稿しましょう!」
ここでもポジティブな切り返し方が紹介されていて、私の経験とも合致しています。
そもそもあんまり好きじゃない相手だったり、立場を勘違いしているような人なら上記の対処法でいいのですが、なかに、
「本当に私のことを考えてくれているんだけど、助言しようとして見当違いの事を言っている」
という人もいるんですよね。
愚痴っぽくなっている私の味方になってくれようとする稀有な存在です。大事にしたいのですが、見当違いなアドバイスを聞いているとこちらもだんだんと疲れてきてしまいます。
最近そんなすれ違いが続いています。
クソバイス発生の起源
クソバイスをしてしまう人って、悪い人ではないと思うんですよね。
ちょっと、発言の内容やタイミングがズレているだけで、人に何かをしてあげたいという奉仕の精神の人だと思います。
良かれと思って言ったことがクソバイスになってしまうのは悲しいですよね。
なぜ、クソバイスが生まれてしまうのか、私の経験からクソバイザー目線で考えてみました。
- 困ってそうな人がいる(相談はされていない)
↓
- 役に立ちたい!
↓
- 何か言えることがないか考える
自分の経験をもとに、アドバイスする(←まだいい)
自分の経験を話して自分語りモードに入る(←黙って欲しい)
自分の経験がないことなので、一般論を言う(←知ってる)
自分の経験がないことだけど、推測でアドバイスする(←だまれ)
こんな所じゃないでしょうか。
まず、「困ってそうな人がいる」のところで既にすれ違いが始まっています。
クソバイザー(以下、バイザー)が、「あの人、困ってそうだな」と思えばストーリーは始まってしまうのです。
相手が相談してきたわけでもなく、アドバイスを求めたわけでもなく、なんなら事情を話す気すらなかったとしても、バイザーの心が動いてしまえばクソバイスは始まってしまうのです。
次に、「役に立ちたい!」ですが、この気持ちがあるから、バイザーは相手の為に言ってあげているという強力な動機を持っており、自分の行為が迷惑がられているなどとは微塵も感じないのだと思います。
「役に立つことであれば相手の気持ちを考えなくても言って良い」という免罪符にはならないと思うのですが、「役に立っている」という感覚は気持ちいいので、ついクソバイスをしてしまうのだと思います。
最後に「何か言えることを考える」ですが、最初から意見を求められているわけではないので、何も意見を言わないのが正解なんじゃないかと思います。
話を聞いて、共感なり、理解している旨を相手に伝えれば、コミュニケーションとして充分。
自分の経験に照らし合わせて「このことは知っておいた方がいいと思うな」というポイントを相手に伝えるならば、それはアドバイスだと思います。相手の役にも立つかもしれません。ただ、それも、方向性を間違えると、自分の価値感を相手に押し付けるだけの一方的なコミュニケーションになってしまうのでクソバイスと認識されるでしょう。
経験がないことはアドバイスできないと思います。
大事に思っている相手からクソバイスを貰ってしまうのは結構困ります。
反論すると相手を傷つけそうだし、だからと言ってその言葉を受け入れたくもないし。
クソバイスを受けると、受け手の気持ちは消耗します。できれば、
「私の事を思って言ってくれてるんだ、ありがとう。でも、その言葉はいらない。」
と、気持ちだけ受け取って、そっと蓋をしておきたいものです。
人からもらった言葉で胸がザワザワする時は、私のことを思って言ってくれたのか考えてみる。
— やわらかさん(お暇中) (@gadus_liver) 2018年12月4日
相手は気付かないうちに相手自身のために言っている場合も多い。
それは大きい独り言だから聞き流す。
そして、いつか、自分が悩みを乗り越えた時に、「あの時くれたアドバイス、めっちゃくクソバイスだったよ!」とネタにできたらいいなと思うのです。