婚活アプリ構文

私は婚活のマッチングアプリをいままで何回か利用してきました。

「何回か」という言い方をしているのは、一回一回はあまり長く登録せず、退会したり、また入会したりというような使い方をしてきたからです。

最初に使った時から数えると、もうすぐ4年ほど経ちます。…長いですね。

長く他人の自己紹介を見ていると、いろいろと気付くこともあります。

その一つが『婚活アプリ構文』です。

 

マッチングアプリには自己紹介を書く欄があるのですが、親切なことにいくつか例文が用意されている場合が多いです。

その中から自分が書きたい内容に近い例文を選び、カスタマイズして自己紹介文を作る人も多いと思うのですが、その例文を使った言いまわしというのは、自己紹介を見る側には「婚活アプリでよく見かけるフレーズ」としてうつります。

耳障りの良い言葉なら、何度読んでもすんなり受け流せると思うのですが、中には聞きなれない言い回しもいくつかあり、「婚活アプリでしか見かけないフレーズ」として認識するようになりました。

…どうも、この界隈に居過ぎたようです。

別に、テンプレートを使っているのがいいとか悪いとかそういうことを言っているわけではないのです。

ただ、私には、『婚活アプリ構文』として際立った個性を発揮しているように感じられるのです。

 

婚活アプリ構文の例

  • 「会社員の仕事をしています」

会話の中で「お仕事は何をされているんですか?」と聞かれたら、

「会社員です(職業)」とか「営業をしています(仕事の内容)」とか答えるのではないでしょうか?

「会社員の仕事」だと日本語としてちょっと違和感があります。具体的な情報は何も伝わってこないですし…。

「○○」に置き換えられているところを埋めたらできてしまった…みたいな文にも見えますが、これは、本当に頻出しているフレーズです。

 

  • 「正直、仕事もそれなりに忙しく…」

仕事が忙しいので、そんなにマメにやりとりできませんよ!という気持ちが透けて見えます。

リアルの場だったら、初対面の人に「正直、仕事が忙しくて…」といきなり言うことはないんじゃないでしょうか?

忙しいのに私の為に時間を使ってくれてるんだ…なんてしおらしく思う女性がいるわけがありません。

会いたい人には自分の忙しさを気付かせないようにしたいものだと思います。

相手の時間だって自分の時間と同じぐらい貴重なものです。

忙しくて、返信が遅くなってもしょうがないと思いますが、最初から予防線を張るような姿勢は気になります。

 

  • 「友達からは面白いやつだなーって言われます」

まぁ、そう思ってるから友達でいるんでしょうねぇって思っちゃいますね。

こちらにとって面白い人かどうかは分かりません。

周りからの評価を書くように例文が誘導しているんだと思いますが、自分がどうありたいかというポリシーを書くならまだしも、周りにどう言われているか(思われているかは分からない)なんて、なんの判断材料にもなりません。

友達がいるってことをアピールしたいのかな…?友達少なそうだな…。と深読みしてしまいます。

 

『婚活アプリ構文』がどうやって生まれたのかを考えてみます。

自己紹介なんて一番自分をアピールできる場所なのだから、本気で相手を探しているなら自分の言葉でちゃんと伝えるのが一番です。

それでも、文章を書く自信がないとか、人に好感を持ってもらえるような文章が書けないだとか、そもそも文章を考えるのがめんどうくさいだとか、様々な需要から例文が作られているんだと思います。

  • 自己紹介を読んでくれる人に興味を持ってもらいたいけれど、身バレはしたくない!だから、個人情報はできるだけオブラートに包みたい!
  • 自分が苦手なタイプや、過度の期待をしてくる人は避けたいけれど、ネガティブな言い回しはしたくない!
  • 自信家でも、自己肯定感が低いヤツでもなく、それなりに人望がある人だと思われたい!

このような、アプリ利用者の込み入った要望に応えようとした結果産まれてしまったのが『婚活アプリ構文』なのです。

自分で考えた文より、例文の方がうまいこと言っている!と思うなら最大限利用すればいいと思います。

ただ、その魂胆は見破られると思った方がいいです。

自分のことを知ってもらおうと思う時、自分の中から出てきた言葉に勝るものはなく、下手でも一生懸命考えた言葉にこそ誠実さが滲みでてくると私は思います。

まぁ、これは完全に私見ですし、私のように長くアプリを利用している人だけが気になるポイントなのかもしれません。

逆に、長い事婚活アプリにいる人を避けたいなら、あえて構文を使うという手もあるかもしれませんね。トホホ…