ジョルノデラックスの話
HondaのGIORNO(ジョルノ)というスクーターをご存知でしょうか?
丸くメリハリのある形が特長で、「レトロかわいいスクーター」として人気があるモデルです。発売から25年以上経った今でも「ジョルノ乗り」は街中で本当にたくさんみかけます。
『ジョルノ』も充分かわいいのですが、その中でも『ジョルノデラックス』は特に凝ったデザインで、他のレトロなデザインのスクーターとも一線を画しているように感じます。
『ジョルノ』との違いをあげると、
- フレームはシルバーのモールでふちどり
- マフラーカバーはピカピカのクロームメッキ仕上げ
- エンブレムは白と黒のチェック柄と、朱色のGIORNOロゴを組み合わせた特別仕様
つまり、「とても分かりやすくレトロモダンを体現したデザイン」だと思います。
『ローマの休日』でオードリー・ヘップバーンが乗っていたイタリアの『ベスパ』を彷彿とさせるデザインですが、私は『ベスパ』より『ジョルノデラックス』の方が好きです。
国産のレトロなスクーターを探している方にはピッタリだと思います。
ジョルノデラックスと私
私が初めてジョルノデラックスを見たのは、大学の駐輪場でした。
大学の周りは坂が多く、道も狭かったため、小回りのきくスクーターは大学生の足として大活躍でした。
それまで雪国に住んでいた私にとって、バイクは半年しか乗ることができない贅沢品だったので、「これがキャンパスライフか…」とカルチャーショックを受けたものです。
羨望の眼差しでバイクに乗っている先輩たちを見ていたのですが、その中でも「特にかわいいスクーター」に乗っている人がいることに気付き、だんだんと心を奪われていきました。
それが、『ジョルノデラックス』でした。
『ジョルノデラックス』の中でも、1999年発売のスプリングコレクションの『ピュアブラック』は、本体のシルエットとメタリックな装飾を際立たせており、特に良さが際立っていると思います。(大層な名前ですが、ただの単色の黒です)
特別カラーの「ホンダ ジョルノデラックス スプリングコレクション」
大学卒業から数年後、「経済力」と「屋根付きの駐輪場」を手にした私は、地域のありとあらゆるバイク屋を見てまわり、ネットショップの検索に膨大な時間を費やし、ついにバイク屋の倉庫の片隅でホコリを被っていた憧れの『ジョルノデラックス』を手に入れたのでした。
(もうちょっといい写真はなかったのか…)
その後2回の引っ越しの際にも一緒に移動し、7年ほど大事に乗っていたのですが、車の購入と共に乗る機会が激減してしまい、昨年泣く泣く手放しました。
近所のバイク屋さんに持ち込んだのですが、とても丁寧にメンテナンスしてくださり、私の『ジョルノデラックス』は3ヶ月もせずに新しい持ち主のところへ旅立っていきました。
いつか、道路ですれ違うことがあるんじゃないかと期待しています。
やっぱり私の惚れ込んだジョルノが最高なのでは?
このバイク屋さんなのですが、私のスクーターで味を占めたのか、そのあとスズキの『ヴェルデ』、ホンダの『ジョルカブ』等のレトロデザインのスクーターを店頭に並べるようになりました。
しかし、商品は動いていない様子。
やっぱり、『ジョルノデラックススプリングコレクション』だからこそ売れたのでは…?とこっそり様子をうかがっています。
『ジョルノ』はモデルチェンジをしながら現在もHondaから販売されています。
2018年式の2BH-AF77を見ると、「お、だいぶふくよかになりましたね?」という感じ。もはや別人のようです。
もう乗ることはないかもしれませんが、やはり、惚れ込んだ愛車が一番かわいいなぁと思ってしまいますね。