梱包の技術の話
"獣になれない私たち"というTVドラマを毎週楽しみに観ているのですが、先日放送があった第7話でちょっと気になるフレーズがありました。
「昔買った漫画とかアンティークの人形とか、二束三文で売ったわずかなお金。
大切なもの、どんどんなくなって行く。」
これを言っているのは、無職の女の子なのですが、最近『不用品売り出しセール』を開催している私もポチポチ小遣い稼ぎをしているのでものすごくイメージできました。
私の場合は「不用品をいかに高く売るか」というところに喜びを見出しつつあるので、大切なものは売っていないです。
でも、昔買った漫画なんていうのは売っちゃってもいいような気がします。
読みたくなったらまた買えばいい。
保管しておく場所の確保とか、引っ越しのたびに持ち歩く配送の費用と手間に対して、読む頻度が少ないのなら置いておくメリットはないかもしれません。
私にはあまりコレクションする趣味がないから、自分なら売っちゃっても特に気にしないと思います。
本は「Amazon Seller」で、ほかの物は「メルカリ」で販売することが多いです。
私自身、本を買うときはAmazon内で検索して、中古の商品を選ぶことも多いので、本だけAmazonにしています。
Amazonだと配送料が別表記になっているのがデフォルトなので、商品の価格が安く見え、結果的に送料込みのメルカリよりも高く売れることが多いと思います。
メルカリでは、CD・化粧品・小型電子機器など、比較的単価の高い小さい物を売っています。
しかも、高い物ほど早く売れるので、いらないものが見つかったらメルカリで相場を検索する癖が付きました。
その時、頭の中では、"なんでも鑑定団"の曲が流れています。
売っている物は中古品とはいえそれなりに高い物ですし、小型電子機器などの場合には特に梱包もしっかり気を付けます。
梱包の参考例もサイト内にあるのですが、ちょっと待った!と思うところもあります。
梱包は「おもいやり」だ
以前働いていた職場は、荷物のやり取りが多く、さらに家具のような大きい物を送ることも多かったので、先輩たちの手付きはさながら引っ越し屋さんのようでした。
その中でも、特に梱包が美しく尊敬を集めている人がいて、その極意を聞いたことがあります。
その方がおっしゃていたのが「梱包はおもいやりだと思うんだよ」
ただ、緩衝材をぐるぐる巻きにしてプチプチの海に沈める事ではないんじゃないかと。
私はそう理解しました。
具体的に幾つかコツを教わったので、まとめます。
- あける人がなるべく少ないアクションで中身を取り出せるようにする
- 梱包を捨てるときに分別がしやすいようにする
- なるべく少ない資材で中身が動かないようにする
説明していきましょう。
1.開梱する人がなるべく少ないアクションで中身を取り出せるようにする
荷物を開けるときに、ガムテープが縦横無尽に張り巡らされていて開けにくいことはありませんか?
段ボール箱を開けるために剥がすテープはなるべく一本につなげるのがベストです。
一筆書きのように四方をぐるっと囲んだりして、なるべく細切れにしないようにするのが、開ける人にとっては開けやすいはずです。
緩衝材をとめるテープも一ヶ所にして、開ける手数を減らすと親切だと思います。
テープの端を折り返して剥がしやすくしてあげるのもよいかもしれません。
2.梱包を捨てるときに分別がしやすいようにする
地域によっては、段ボールに貼ってあるテープを全部剥がして、回収に出すルールのところもあります。
1.で手数を減らすためにガムテープを細切れにしないように、と書きましたが、それは捨てるときにも手数を減らすことになります。
また、緩衝材をとめるテープは、紙の素材のテープだと分別が必要な場合もあるので、ビニール製が良いですし、できれば剥がしやすい養生テープが便利です。
※養生テープは黄緑色のガムーテープのような見た目で、粘着力が少し弱く、剥がし跡がきれいなテープです。
3.なるべく少ない資材で中身が動かないようにする
単純に梱包材がコストになるからという意味もありますが、受け取り手のゴミを減らすという意図もあります。
また、プチプチは大きいサイズの一枚でぐるぐる巻きにしてしまうと、本体がどこにどういう向きで包まれているのか分からず、開けている途中でコロンと落ちてしまうこともあるので、オススメできません。
プチプチは2重巻きにすれば十分だと思いますし、箱はなるべく小さく中身が動かないサイズがベストです。
ただ、箱のサイズが決まっている場合もあると思うので、そういう場合はプチプチで巻いた商品を箱の内側にガムテープで固定してしまうのがオススメです。
それでも心配な場合は、段ボールの切れ端を使って、隙間のサイズに合わせた箱を作り、プチプチでくるんだ商品が動かないように固定するのがベストです。
梱包道
上記を考えながら、テキパキと梱包するのは頭の体操になって楽しいです。
こんな風に「そこまでやらなくても…」ということにやりがいを見出してしまうのは私の性だと思いますが、美しく梱包できると嬉しくなりますし、早く発送したくなります。
なんでも極めて楽しんでしまうという意味では、自分の中に日本人らしさすら感じます。
茶道、華道、剣道、柔道、梱包道…。
新しい美学が将来誕生するかもしれません。